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節水プロジェクトの始め方・進め方

トイレの節水を考えてみる価値はあるかもしれない。じゃあ、まず何から始めたらいいの?

"本格的なトイレの節水"なんて、そこらじゅうのビルで頻繁に行われていることかというと、まだまだそういう段階ではないのかも知れません。そんな状況ですので、いざ「検討しよう」ということになっても、どういう手順で進めたらいいか、パッとイメージが湧く方の方が少ないのではないでしょうか。

そこでこの『節水プロジェクトの始め方・進め方』のところでは、「どういう段取りで進めたら、スムーズに漏れのないように検討〜導入を進められるか?」を、私たちなりに簡単にご案内してみようと思います。(私たち木村技研は、これまで優に1,000棟以上はお手伝いさせていただいて来ておりますので、安心してご参考にしていただいて大丈夫だと思います。)

節水プロジェクトの始め方・進め方

Step1.目的の確認

まずプロジェクトの目的を決めます。

「節水の話なんだし、水減らそうってだけでしょ?」 ・・・という声が聞こえてきそうですが、それだけではもったいないです。他にも色々といい面があります。

 

例として、当社のシステムを導入いただいたお客様のご評価(つまり「以前よりここが良くなった!」といっていただけているポイントですね)の中から、代表的なものをご紹介します。

 

●上下水道料金コストの適正化

まずは水道料金コストの削減で得られる経済的なメリットですね。

 

削減できる水道料金 − 節水システムにかかる費用 = 経済メリット

 

経済的なメリットを考える場合、この式がすべての基本になります。「導入前と比べて、最後に手元に残るようになる"経済メリット"の部分が最大になる投資をする」、というのが一番良い選択ですね。

ものすごく簡単な引き算ですし、「そんなの当たり前じゃない。」とお感じになる方は、とても正常な経済感覚の持ち主だと思います。しかし、残念ながらそうでない方(というより、組織)もたくさんいらっしゃいますので、念のためこの部分は確認しておいた方が良いのかもしれません。

 

●設備のグレードアップと利用者サービスの向上

次に、トイレの洗浄装置自体のグレードアップと、そのことによるビルの利用者・入居者の方々へのサービス向上の部分です。ノータッチ式の洗浄装置であれば、以前のハンドル式と比べてトイレの使い勝手が良くなりますし、より衛生的に気持ちよく使えるようになります。

 

当社のお客様には、「女性の利用者の方には特に喜ばれてます」といっていただけることが多いです。ビル自体のイメージアップにも繋がりますね。

また、施設によっては(特に公共性の高い施設や病院など)、バリアフリーの観点でご検討いただくケースも多いです。操作しなくても自動洗浄する機能を活かすことで、ご老人や小さいお子様、お体が不自由な方などにとっても、より簡単に・安全に・衛生的に使っていただけるようになります。

 

●設備の維持管理レベルの向上・管理の手間とリスクの削減

これはその機器を販売する業者のサービス体制によりますが、給排水設備自体の維持管理面のメリットも期待できる場合があります。

 

トイレを中心とした給排水設備維持管理には、何かと手間がかかり、非効率なことがいっぱいあります。特に給水用具のトラブルには、単純にトイレが使えなくなるとか、汚れるとかいったこと以外にも、色々なリスクやユーザーご自身の管理責任があります。(日本水道協会刊『給水用具の維持管理指針』をご存知ですか? もしご存知でない管理者の方は、是非ご一読されておくことをお勧めします。)

 

こういった維持管理面の手間やリスクが、専門業者の付帯サービスでうまく管理できるようになれば、これも大きなメリットといえます。

 

●環境への貢献

最後に、今特に注目されている側面として、エコロジーの観点、自然環境保護への貢献という効果も期待できます。(私たちにお問合せをいただくお客様の中にも、環境をキーワードに導入を検討されている方が実際に増えています。)

 

水の使用量を減らすことには、電気の消費量もついでに減らす効果があります。例えばトイレの水使用量を削減できれば、その建物内に水を送っている揚水ポンプも、水を減らしたその分、動かさずに済みます。その結果、揚水ポンプの消費電力を減らすことができます。また、下水道への排水量を削減できれば、下水処理にかかる電力も削減されます。

また、これらの消費電力を削減することは、その結果発生するはずだったCO2(二酸化炭素)の削減にも繋がる、ということになるわけです。

 

私たちの節水サービスを採用いただいたお客様には、水の削減効果の検証データに加えて、これら電力やCO2の削減量の効果レポートもお出ししています。

 

以上、節水プロジェクトを導入する目的の例として、いくつか見ていただきました。今回、あなたがプロジェクトの対象とされる物件の用途や、利用者の特性などに見合った目的を決めた上で、以降のステップに進むとスムーズだと思います。何でも目的がはっきりしていた方が、話も進みやすいですよね。

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Step2.目標値の設定

次に、確認された目的に対して、「具体的にどのレベルの効果が出るならプロジェクトを実行に移すか?」をある程度イメージしておくと良いでしょう。

 

例えば経済的なメリットについて、「最低でも投資金額の20%を超えるリターン(導入するシステムのコストを差っ引いて手元に残る利益)が見込めなければプロジェクトの検討は中止!」とか、「3年以内に初期投資を回収できそうもない場合はやらない!」というような基準を持っておくと、結局どうしたいのか分からないまま、だらだらと検討だけ続けさせられるようなことにはならないと思います。

 

ご注意!

 

どんな数字でも同じだと思いますが、目標値を設定することの前提として、「結果の数字を客観的に知る手段がセットに」なってなければ、すべて机上の空論です。

 

節水で特によくある失敗例に、「"節水なんだから、水道料金の請求金額だけ見れば結果は分かるだろう"と考えて、検証手段の部分をうやむやにしたまま進めてしまう」、というパターンがあります。確かに「減った・減らなかった」という結果だけは分かりますから、そう考えてしまうのも無理もないことかもしれません。

 

しかしその場合、導入後にもし水が減らなかった時に、その"水が減らなかった理由"が分からないことになります。もしその理由を明確する方法がなければ、減ろうが減るまいが後からなんとでも言えてしまうわけです。これではどんな数字もすべて意味がありません。(この辺のことについては、『節水装置の選び方』のところで、詳しく説明しています。)

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Step3.導入システムの選定

実際に節水型の洗浄装置やサービスについて、情報収集を始めます。

 

製品の信頼性や過去の実績、アフターサービスの体制など、見るべきポイントはいくつかあります。事前によく情報を集めておいて、良さそうな業者が見つかったら、実際に問い合わせてみましょう。複数の業者に来てもらって、それぞれ「他社との違いはどこにあるのか?」、「その製品・サービスを選ぶメリットは何なのか?」など、聞いてみるのも良いでしょう。

 

しかし何より大切なのは、検討を進めるあなたご自身が、製品やサービスを選ぶための基準をしっかり持っておくことです。今回のプロジェクトの目的や目標値に見合った、はっきりした選定基準を持った上で検討を進めます。この基準があるかないかが、無用な手間や混乱、導入自体の失敗を避け、プロジェクトを成功させるための、一番大切なポイントです。

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Step4.対象物件の概況チェック

選定した節水装置・サービス業者にアドバイスを受けながら、対象物件の状況データを収集・確認します。

 

  • 過去1年間の使用水量データとその内訳
  • 在館人数(男・女) 来館人数
  • 各フロアごとの器具(便器その他)台数

・・・などが主な要素ですが、建物の用途や運営状況によって、見るべき数字やポイントも様々です。

 

このステップは、今回の節水プロジェクトを実施するかしないかを判断し、実際に導入した場合にはその効果検証のための基礎データになる情報を収集・確認する工程ですので、とても重要です。色々な物件で、なるべくたくさんの調査〜施工経験のある業者をうまく使って、十分なサポートを受けながら進めることが近道ですね。

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Step5.導入メリットの試算

収集したプロジェクト対象物件の概況データを元に、その製品・サービスの提供業者に導入後メリットの試算をしてもらいます。

 

ここで大切なのが、それらの数字の根拠云々よりも、「その効果があったか、なかったのかがどうやって確認できるのか?」という点です。検証手段がなければ何とでも言えてしまいます。この点について納得のいく手段の提示と説明をしてもらえない場合、プロジェクトは中止した方が良いでしょう。

 

(このステップまで来てしまってからやっぱり中止、というのも時間と労力の無駄遣いですね。Step3のところでしっかり確認しておけば、そういうことも避けられるでしょう。)

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Step6.プロジェクト実施の判断

試算された導入メリットや、その他設定した目的から製品・サービス提供業者の提案内容を検討し、実際にプロジェクトを実施し、装置やシステム、サービスを導入するかの判断をします。

 

特に経済メリットに関して、一定の金額保証がある場合には、どのような場合に保証が適用されるのか、されないのかを、よく確認しておくと良いでしょう。(ここでも大切なのがやはり客観的な検証手段です。)

 

最初のStep1〜2で確認した、プロジェクトの目的や目標値がはっきりしていれば、スムーズに納得の行く判断ができますね。

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Step7.導入・設置工事のスケジューリング

プロジェクト実施が決定された場合、業者に装置の取り付け工事や試運転調整作業などの工程を引いてもらい、日程等の調整をします。建物の運営上の都合等を伝え、必要に応じて夜間や休日に作業してもらうなどすると良いでしょう。

 

また、建物の利用者の方々に対して、工事の内容や新しい洗浄装置についての説明も行っておいた方が良いでしょう。この部分についても、業者に案内用のペーパーを作ってもらうなどするとスムーズです。

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Step8.設置工事・動作チェック

実際に設置工事を行い、動作のチェックをします。

 

装置の使い方や、万が一の緊急時にどう対応してもらえるかなど、ここでもよく確認しておくと良いでしょう。(工事業者の責任とメーカー責任の範囲が分かれている場合などがありますので、これについては検討段階で確認しておいた方が良いかもしれません。メーカーの責任施工なら心配ありませんね。)

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Step9.効果検証・結果のフォロー

導入後1ヶ月、2ヶ月と、結果をフォローしていきましょう。

 

最後の効果検証やプロジェクトの評価のところまで、責任を持ってフォローしてくれる業者がやはりお勧めです。(であれば、あなたが数字を掻き集めて報告書を作る必要もありませんね。)

 

また、経済的な導入メリットについて一定の保証があり、その保証金額のラインを下回るような場合には、契約書類に定められた数字を両者で確認した上で、返金を求めるなどの対応をします。

 

給排水設備ですので、24時間・365日、トラブルがあればすぐに対処する必要があります。必要な対応をしてもらえない、約束したレベルのアフターサービスを受けられないなどの場合には、その業者の担当者にそのことをはっきり伝え、もし改善されないようなら、その会社に対してきちんと申し入れましょう。

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まとめとして

以上、節水プロジェクトの始め方・進め方をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?色々と申しあげてしまいましたが、「それで結局、一番大事なことはなんなの?」という声にお答えしておきます。

 

これまでみてきました各Stepは、それぞれ大切です。しかしすべてのStepで一貫していえる、一番大事なことは、次の2つのことです。

  1. "プロジェクトの目的をはっきりさせておくこと"
  2. "客観的な効果検証の手段を持っておくこと"

「一番大事な」と言いつつ2つ挙げてしまいましたが、この2つはもともと表裏一体だと思います。『Plan・Do・Check』という言葉をよく耳にしますが、やはりこれがちゃんと回るように進めることが大事だということでしょうか? 長々お話した挙句、あまりにも基本的な結論に達してしまい恐縮ですが、やっぱり大事なのはそういうことだと思います。

しかし目的にしろ、検証手段にしろ、それを検討したり選んだりする基準がなければ進めようがありませんよね。『基礎知識』のところでもお話したとおり、この"選定の基準"を持った上で進められるかどうかが、プロジェクトの成功と失敗を分ける、最大のキーポイントだと思います。

 

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